ここのところ、昭和のコンパクトフィルムカメラが気に入って次々と購入。またまた泥沼です。
とにかく価格が微妙。大体は1万円台で結構程度の良いものが買えてしまいます。ついつい手を出してしまう価格、これが沼に導く罠ですね。
と、そんなわけで、どんどんこの手のカメラが増えてきました。ほとんどが半世紀ほど前の代物です。
膨大なカメラの種類の中にあっては微々たる数ですが、自身の整理も兼ねてちょっとまとめてみました。
画質評価に関しては、厳密に同条件撮影で比較したわけでは無いので、あくまでも私の撮影範囲内での所感です。ご参考までに。
また、この時代のカメラ用電池(ボタン型)はほぼ全てが販売終了となっていて入手は不可能、代替電池が必要となってきます。現在販売されている同形状の電池を使うことになりますが、残念ながら多くの場合電圧が違ってきます。
電圧差による露出計誤差はASA感度設定を変えて調整することになります。そのあたりも備忘として記入してます。
電圧差を是正してくれるアダプターも販売されていますが、高価且つ面倒なので今のところ使用していません。
コンパクトフィルムカメラ / Amazon
》コニカ C35 (KONICA C35)
とっても懐かしい、ジャーニーコニカことコニカC35。井上順さんのCMでおなじみの。中高年の方なら、カメラは分からなくてもCMだけでも覚えてるんじゃないでしょうか。実は私もその口で、このカメラだけは知っていました。
外観は新品のように綺麗だけど難有品をヤフオクで安く入手。フィルムカメラ専門修理屋さんに整備に出すこと1ヶ月、完動品になって帰ってきました。
実はその1ヶ月の間に、我慢しきれずローライ35とかペトリカラー35とかを次々と購入していました。沼の始まりです。
ところで、フィルムカメラ修理屋さんによると、修理にカメラを持ち込む客の6割がカメラ女子らしい。中でもコニカC35はけっこうな人気。そう言われてC35を眺めると確かに女子ウケしそうな雰囲気が。
こんな昔のカメラ、懐古趣味のおっさん専用と思ってたけど、最近C35を首からぶら下げて歩くのがちょっと恥ずかしい。
測距はレンジファインダー。二重像でピントを合わせます。露出制御はプログラムAE。カメラが勝手に露出と絞りを決めて撮ってくれます。便利ですが、絞りorシャッター優先は不可です。
※代替電池はLR44(1.5V)使用。本来の電圧は1.3Vだが整備時に1.5V対応に変更済。ASA設定は通常通りでOK。(1.5V用に変更してない場合は、ASA設定を1/3ほど低くして対応)
ボディーはシンプルで気持ちのいいデザイン。そして軽量コンパクト。
露出制御はオートなので、二重像でピントを合わせシャッターを押すだけ。簡単操作で結構綺麗に写る。傑出したところは無いが不満点もあまり見つからない。安くて扱いやすくて、トヨタカローラのようなカメラ。当時大人気となった理由が分かるような気がします。
確かに写りもイイです。周辺が僅かに流れますが全体的に高解像、このクラスのカメラとしては何の文句も無い、充分です。
でもしばらく撮ってるとだんだんつまらなくなってくる。露出補正もできないし、絞りのコントロールもできない。
本来そんなことは考えなくてもいいというカメラなので、私のように的外れの要求をするほうがおかしいんですが。
良いカメラだと思います。
》ペトリカラー 35 (PETRI Color 35)
衝撃のデビューを果たした高性能コンパクト、ドイツ・ローライ35に真っ向挑んだ唯一の日本製コンパクト機。
どちらもレンズは沈胴式。当時ローライ35のパチモンみたいに言われたこともあったようですが、とんでもはっぷん。きっちり作り込まれ、ローライ35以上のギミックで武装したインターセプターです。開発者の意欲ががんがん伝わってくるカメラです。私は好きです、こういうカメラ。
ローライ35に比べ僅かに大きく僅かに重いですが、こちらのレンズは若干明るいF2.8。(ローライ35も後にF2.8を追加)
測距は目測。ファインダー内下に距離指標あり。
露出計あり。ファインダー内右のメータを見ながら、絞りと露出ダイヤルを調整。
※代替電池はLR44(1.5V)。本体電圧は1.3Vのままなので、ASA設定は1/3EVほど低く設定。
ローライ35を使い出すと、このペトリカラー35が気になりだすようです。ネット上でも、この2機種を比較レビューしたものがぽちぽち見られます。
このカメラの最大の特徴は沈胴式レンズの迫り出し方法。なんとボディー背面上中央にある、直径15mmほどの小さなフォーカスダイヤル(下写真参照)を回して迫り出します。
通常フォーカスリングはレンズ鏡胴にあり、このフォーカスダイヤルの位置だけでもとっても変わっています。
カメラのレンズは一般的に無限遠のピント位置が一番引っ込んでいます。このカメラでは無限遠位置を過ぎても更に引っ込んで、1cmぐらい沈胴するようになっています。無限遠位置でクリック感があり一旦止まる感じになるので、無限遠にピントを合わせる時も不便はありません。たかが1cmされど1cm、この1cmで沈胴時にはとてもコンパクトに感じます。
迫り出すときに何回かフォーカスダイヤルを回すとことになりますが、私は面倒に感じません。逆にこのギミックがとっても楽しいです。だいたい便利さを求めるならデジタル使いますから。
シャッター速度と絞り設定ダイヤル、ファインダー内の露出計指針を見ながら設定ダイヤルをぐりぐりしながら調整します。
絞りとシャッター速度、どちらかを先に決めれば、絞り優先とかシャッター優先とかになります。
この2つのダイヤルは親指と人差し指で簡単に操作でき、グリグリ回しての設定も結構楽しいです。
写りに関しては、やはりローライ35には及びません。周辺解像が落ちます。F8以上に絞れば結構いいですが。コニカC35と比べても若干劣る感じです。
今でこそデジタルと比べてしまえば拘るほどの差では無いですが、当時としてはやはりハンデになってたように思います。
とはいえ、このカメラはフィルムコンパクトの中で、私の一番のお気に入りです。これほど製作者の気概が伝わってくる工業製品はそうそうありません。小さなボディーに詰め込んだ知恵と努力が楽しいギミックとなって操作性を向上させている。
当時の販売価格もローライ35の1/4程度。頑張ってると思いますヨ。
写りがどうのこうのより、持ってて嬉しい、撮ってて楽しいカメラです。
》ペトリ マイクロコンパクト(PETRI micro compact)
ペトリカラー35には派生機種が幾つかあり、これもその一つ。
露出と絞りはプログラムEE化されフルオートになっています。便利ですがシャッターと絞りのコントロールはできません。
サイズはペトリカラー35とほぼ同じながらも、プラスティックを多用し軽量化。約300gに。
沈胴レンズは引っ張り出す、押し込む、の簡単操作に。便利ですが、フォーカスダイヤルをぐりぐり回す楽しみ?が無くなりました。軽くて便利で格好いい。でもどこかペトリカラー35の骨っぽさが消えてしまったような、、、微妙なカメラです。
レンズが同じなので写りも基本的にペトリカラー35と同じ。なので撮影写真はカッツ・アイ!
》昭和のコンパクトフィルムカメラ色々その2に続く。