》MS-Optics Apollon 36mm f1.3(メーカー表記:APOLLON1.3/36)なるレンズ
MS-Optics社、普段あまり聞かないメーカー名ですが、レンズ制作の匠、宮崎貞安氏主宰のレンズ工房。現代のレンズとは一線を画する、特徴ある手作りレンズを生み出しています。軽量コンパクトで、オールドレンズを思わせる味のある写りを楽しめます。
今回購入のApollon 36mm f1.3は最新作、私としては4本目の宮崎レンズになります。商品紹介では、絞り開放f1.3ではフレアを伴うがしっかり解像、F2ぐらいからはフレアが消え解像コントラストともに急上昇、のように書かれています。
概ねそのとおりの写りですが、絞り開放での解像はちょっと物足りません。また、絞っても四隅のボケは収まりません。とはいえこのレンズの性格からしたら大した問題ではなく、逆に躯体の小ささ軽さを考えるとよくこれだけ写るもんだと感心してしまいます。以下、公称スペックをまとめたものです。なんと75gの軽さです。
マウント :ライカMマウント。
レンズタイプ :ガウス型、4群6枚、Full MC Coat
焦点距離 :36.2mm
開放F値 :1.38
最短撮影距離 :0.3m(ライカM3の場合距離計連動1m、その他機種は0.8m)
フィルター :M34 逆付
サイズ :直径50mm 、厚さ22mm
重さ :75g(フード、キャップ込みで80g)若干の個体差あり。
》SONY α7Cに、Techartの電子マウントアダプターLM-EA9経由でAF化
Apollon 36mm f1.3はピントにクセがあって、なかなか思いどおりにピントが合ってくれません。前ピン、フォーカスシフト等、理屈はおいといて、どうも私には不向きのようです。
それで、レンジファインダーでの使用はやめにして、α7CにLM-EA9でAF化することにしました。
これが正解で、とっても緻密に合焦し、見違えるような写真が撮れるようになりました。
LM-EA9は、使用レンズが軽量でF値が小さいほどスムーズ且つ緻密なAFが可能となり、軽量F1.3のApollon 36mm f1.3はこれにもってこいのレンズになります。AF-ONの使用も可能です。もちろん純正レンズのようにはいきませんが、それなりのスピードで機能してくれます。
4000万画素のLeica M10-Rでもきっちりピントを合わせられれば同じ写真が撮れるはずですが、それがなかなか困難なレンズ。α7Cの2400万画素の方がこのレンズに合ってるような気もするし、なかなか良い組み合わせかと思います。
LM-EA9の重さは130g、Apollon 36mm f1.3の75gを足すと205gになってしまいますが、AFレンズで36mmF1.3と考えれば驚異的な軽さ、小ささです。
LM-EA9 / Amazon
》Apollon 36mm f1.3、絞りF8と開放絞りの等倍サンプル
α7Cでの撮影結果ですが、Leicaデジタルでも同様の写りと考えてよいと思います。Leica M10-Rでの撮影でも画素数こそ違いますが、正しく撮れた時にはその写りに差異は感じません。
等倍サンプルではツッコミどころも色々あるかと思いますが、細かいことなど気にしちゃいけないレンズかと。絞り開放でのボケ、滲み、虹のゴースト。絞れば通常の広角レンズ。色々と楽しめます。
以下、α7Cで撮った写真を色々と。