》きっかけは、Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM。
Leica M10 の高画素版(4000万画素)M10-R が登場したのは半年以上前。 Leica M10-R / Amazon
オールドレンズ主体でゆる〜く撮ってる身としては、興味はあれど買替の必要性は感じず、M10で平穏な日々を送っていました。
しかし平穏な日々は長続きしないのが世の常、Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VMの購入を機にちょっと怪しい雰囲気になってきました。
APO-LANTHARはとにかく素晴らしいレンズで、巷ではその約10倍価格のLEICA APO-SUMMICRONと同等の、ほぼ頂点画質と謳われています。超高解像に各収差極小、特に色収差はほぼ0ということが謳い文句の一つ。当然ボケも綺麗。私はAPO-SUMMICRONは所有していませんが、Web上のサンプルとの比較では、その評価に偽りはないように感じます。
で、何でAPO-LANTHARの購入が機、ということなんですが、別にM10のセンサーがAPO-LANTHARの解像力に追いつかないということではなく、要因はモアレによる偽色の多発です。
APO-LANTHARの解像が良すぎるためM10ではモアレがやたら目立つように。赤や青の偽色が網目模様部だけでなく密集した枝葉の中にも。せっかく色収差がほぼ0に抑えられているのに、偽色の氾濫は本末転倒。何のためのAPO-LANTHARか分かりません。
勿論ほとんどの状況においてモアレが気になることはありません。ただ、たまたまハマってしまった状況では、一気に表面化してきます。普段から多少気にはなっていましたが、これを機にモアレをなんとかしたいと思うようになってきました。
センサーは一般的に高画素になればモアレも目立たなくなってきます。それでWeb上でのM10-R撮影サンプルを精査、予想どおりモアレが少ないことを確認。ついでに色再現の滑らかさ、その清々しい発色等、M10からの画質向上も確認し、心はM10-Rに逝ってしまいました。
》M10以外にも虎の子のズミルックス50mm等々、色々と下取りに出してM10-Rに。
しっかし、M10-RはM10よりさらに高額。ここ数年、なんだかんだでライカ製品の価格はどんどん上がってる感じで、、、5月からはまたまた値上げの価格改定。購入は値上げ前でまだ良かったですが。
下取りは、M10は当然、虎の子の現行ズミルックス50mmも使用頻度極少ということで放出、その他色々手放して尚且つ10万円以上の出費。ふっ、防湿庫が広くなっていいぜ、と強がり言いつつM10-R様をお迎えしたというわけです。
》取り急ぎの試写では手ブレ連発だったが、、、
取り急ぎの試写では手ブレ連発。やはり4000万高画素とAPO-LANTHARの高解像では、手ぶれ補正がないとまともに撮れないのかと青ざめましたが、冷静になって考えると当たり前、初期設定のまま適当に撮ってりゃこうなります。因みにM10の基準ISOは200(ある時点でのアップデートで100から200になった)でしたが、M10-Rは100です。
気を取り直して、ISOオートでシャッター低速限界を1/250(M10では1/125にしていました)に、その他諸々カスタマイズ。シャッター感覚の違いも少なからず影響していたようで、慣れてくると歩留まりはM10とほぼ同等に。以前と同じような感覚で撮れるようになりました。ISOは上がり気味になりますが、M10-Rは高感度ノイズ少なめ且つ高画素、あまり気にはなりません。今のところ、ISO上限は6400に設定しています。
シャッターはM10-Rの方が低振動で静粛。私の場合、縦位置での手ブレが減りました。
でもM10のシャッター音は本当に好きでした。僅かに金属音の混ざったような”カシュッ”という響きは最高でした。実用では今のシャッターの方がいいですが、ちょっと残念です。
》あらためてライカレンジファインダーの高精度に恐れ入る。
次に問題と思ってたのがレンジファインダーの精度。
高画素高解像ではピントがとってもシビアで、明るいレンズでの絞り開放あたりではライブビューに頼るしかないと考えていました。しかし、意外にもレンジファインダーでちゃんと合焦してくれます。高解像故ピントにシビアなAPO-LANTHAR 50mm開放F2でも、レンジファインダーでほぼ外すことはありません。流石にF1.4ぐらいになると、ライブビュー使った方が精神衛生上いいような気もしますが、状況次第です。
》M10-Rの高画素に、オールドレンズはどうなのか。
解像が追いつかなくてどうなるのか?と思っていたオールドレンズですが、別にどおってことはありませんでした。そのまま写るだけです。何の不都合もありません。センサー性能が上がった分綺麗に写るし、今のところ良いことしかありません。
ただ、ズミクロン35mm7枚玉に関しては、かなりキビシイ状態に。無限遠でのフォーカスシフト大、後ピンぎみのこのレンズ、元々完全じゃなくて騙し騙し使ってたんですが、4000万画素ではさすがに騙しきれなくて、微妙なピンズレ多発。流石に調整(この際オーバーホールか)に出さないとダメな雰囲気になってきました。
ちなみに、SUMMICRON 50mm f/2 沈胴はとっても綺麗に写ってくれます。さすが嘗ての解像番長、4000万画素に負けてません。今はテストも兼ねてAPO-LANTHARばっかりで撮ってますが、M10-Rでも”沈ズミ”が常用になるかも?です。
》で、結局のところ、やっぱり高画素はええわ〜
Mデジタルは2400万画素で充分と思っていましたが、一度4000万画素に逝ってしまうとやはり2400万画素には戻れないような。
冒頭での予想どおり、モアレもかなり目立たなくなり、描写性能も向上しています。
そして、トリミングにもかなり余裕ができてきます。レンジファインダーのフレーム表示はアバウトで、元々トリミング前提で撮ってますから、やはり画素数に余裕があるというのは嬉しいです。
Q2と同じ考えに立てば、35mmを付けておいて50mmが必要なときはフレーム切り替えて撮影、RAW現像時にトリミング。そんなズボラな撮り方もできます(あんまりしないとは思うけど)。因みに35mm時50mmクロップでは、2000万画素ぐらいになります。充分な画素数です。
そんなわけで、下取で手放したズミルックス等、代償は大きかったですが、まあ”R”にして良かったと思っています。10年は使い倒してやろう、そう思っています!、今のところは、、、、
以下、M10-Rで撮った写真を色々と。
他にもM10-Rで撮った写真、以下にあります。